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笹野鈴々音の怪演が素晴らしい「トリハダ-劇場版-」

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笹野鈴々音の怪演が素晴らしい「トリハダ-劇場版-」

夜ふかしのあなたに ゾクッとする話を

公開年2012年
監督三木康一郎
脚本三木康一郎
上映時間88分

メインストーリーは谷村美月(たにむら みつき)が演じる高林ひかりの話ですが、他の6つの話も同じ時間軸で動いており、
登場人物同士もつながりがあって短篇集としても一つのストーリーとしても楽しめる構成になっている。

全体的に演技がうまい俳優を起用しており、演技にストレスを感じることなく見ることができました。
ヒトコワ的な怖さの演出が上手く、特に笹野鈴々音(ささの りりね)の怪演が素晴らしい。
トリハダシリーズファンであるAKB48の宮崎美穂(みやざき みほ)はトリハダで映画初出演を果たしています。

第一話「見えざるものの中にある真理」

由美子(木南 晴夏)はマンションと駅の間にあるトランクルームを借りていた。
夜、荷物を置きに行くと、斜め向かいのトランクルームを使っている男と遭遇し…。

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木南晴夏の演技力も良く、ストーリーや演出もレベルが高かったです。
行方不明の女の子の張り紙や、由美子を見てくる明らかに不審な男などよくある話だと思わせて予想外な結末を持ってきてくれました。
最後のスーツケースから滴る血の乾き具合の変化が特に好きです。

第二話「異常な愛情と執念の6日間」

トリハダ

宅配便で働く孝史(古川 雄輝)は、不在表を見て電話してきた横田(笹野 鈴々音)という女性に家に配達に行く。
仕事が終わって家に帰り、コインランドリーで洗濯していると…。

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トリハダシリーズの「顔」笹野鈴々音が出演しているストーリーです。
キャラクターの怖さは劇中トップです。
画像だけ見ると分かりにくいのですが映像で見ると笹野 鈴々音の背が138cm(鉄腕アトムと同じ身長)とかなり低く、
メイクや服装とのバランスがなんとも言えない不気味さを醸し出しています。

「アイタイヨ」という声や、シャンプーに混入していたモノ、最後の笑顔全てが怖かったです。

第三話「好奇心から生まれる想像と漆黒」

夜のバスの前の席に座っている女子高生(入来 茉里)の携帯電話が目に入った良和(野間口 徹)。
ついつい「朝まで一緒うふふ~♡」という文字を読んでしまい…。

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僕が1番好きな話です。
バスの中で目に入った前の席の女子高生のやりとりを盗み見てるという現実にありそうなシュチュエーションと、
携帯電話で女子高生がやりとりしている相手の場所を良和や視聴者が勝手に想像してしまう所がトリハダ感溢れています。

野間口徹のセリフを言わずに表情や仕草で何を思っているのか伝える演技力や、
入来茉里の徐々に変化するイメージの作り方がとても上手かった。

第四話「理想と現実の相違から訪れる闇」

付き合っている男にしつこくされていると飽きて別れを切り出す葉子(佐津川 愛美)。
ある日、引っ越したばかりの部屋に帽子を深くかぶった男が鍋を持って訪ねてくる。
どうやらシチューを作り過ぎてしまったようなのだが…。

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この話のシチューで最近見たスケアリーストーリーズ 怖い本の足指なし女を思い出しました。
夜9時ごろにチャイムを鳴らしてうつる、目深すぎる帽子と顔の下半分しか映ってない長身の男はリアルに怖いです。
物語序盤の方にも少し流れているニュースの音声がつながってくるのも良かった。
イケメンは正義なんだなぁと感じるお話でした。

第五話「自身に降りかかった悪夢と結末の相違」

夕子(石橋杏奈)が仕事から帰ると、上着のポケットに小さく丸めた紙が入っていてそこには「30」と書いてあった。
翌日、出勤するためのバスを降りるとポケットの中に今度は「29」と書いてある紙が入っていて…。

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序盤から中盤はあまり好きな物語ではなかったが、ラストがかなり良い。
一気にカウントダウンが進む紙や、部屋に置かれた「1」と書かれた紙が怖かった。

最後に病室に響くヒールの音がなぜか怖く感じます。

第六話「誘惑と疑念の葛藤と脅迫」

専業主婦の真貴子(白羽ゆり)は、毎週金曜日に限って帰りが遅い夫を疑っており
「浮気したら殺すから」と言ったものの、それ以上問い詰めたりはしなかった。
ある日、真貴子の下にライフスタイルを改善すると名乗った女性から電話がかかってきて…。

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この話はメインストーリーと大きく関わり、映画のラストを飾る話です。
マイルの北川という女性から唐突にセールスのような電話がかかってくるというだけなら怖くないのですが、
明らかに個人情報を知りすぎていることや、商品を売りつけるわけでもないことが怖さを演出しています。

メインストーリーに出てくるクレーマーの女性と谷村美月がエレベーターに一緒に乗る時の緊張感や、
クレーマー女性の表情の変化もかなり怖いです。

トリハダ五箇条

トリハダシリーズの特徴をまとめた人怖の5箇条。

  • 幽霊は出ない
  • 超常現象は起きない
  • 音楽で恐怖を煽らない
  • 過度な演出はしない
  • 日常から逸脱しない

BGMが消えるタイミングと時間がかなり秀逸でした。
この5箇条を守っているホラーゲームとかあったら面白そうなのでやってみたいです。

▼YouTubeで怖い事件の考察などもやってるので良かったら見てください▼

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