公開年 | 1996年 |
監督 | 中田秀夫 |
脚本 | 高橋洋 |
上映時間 | 76分 |
映画撮影所を舞台に、映画監督や女優が撮影中に怪異に巻き込まれるというあらすじ。
中田秀夫監督が後に作った『リング』の貞子は、『女優霊』では幽霊の顔を見せすぎたという反省を生かして露出を抑えている。
また長い黒髪で白いドレス姿のデザインも貞子の原形であるとも言われる。
女幽霊の最高な所 幽霊を見せすぎない演出
先ほど幽霊の顔を見せすぎたと説明しましたが、前半は幽霊の露出が少ない。
しかし少ない露出でかなりの存在感を示していることが素晴らしい。
撮影したフィルムを見直すときに演者の背後に微妙に移る霊が不気味すぎる。

この大口で笑っていることが分かるギリギリの解像度。
ジャパニーズホラーを1枚の画像で表すならこの画像と言える。
また、バズの窓にうつる幽霊も演者のリアクションで気づくが画像だけだとわかりにくい。

フィルムに写っていた霊が徐々に見えるようになる怖さや、
女優が落下して死亡した時のジャンプスケアなど多彩なホラー演出も良かった。
この女優の落下シーンは僕の好みで言えばカットなしで落下させた方が怖いのではないかと思う。
行方不明になった監督を探しに主演女優と映画スタッフが監督の部屋に行き、
部屋に貼ってあった主演女優の写真が貼ってあるのだが、目だけが傷つけてありスタッフがその写真を取り外すシーンが地味に好きなポイントです。
不気味な写真を見せないように気を遣って無言で取り外すのですが、おそらく幽霊が傷をつけているので主演女優のラストを暗示している。
ラストシーンは初めて見る構図かつ、不安を残す(恐らく女優の命はないが)終わり方。

女幽霊の最悪な所 BGMと後半の幽霊の露出
BGMの選曲、音量、タイミング全てがダメに感じるが恐らく選曲が悪いから全てダメに感じるだけと思う。
全くBGMがない方が怖い映画になったはずです。
後半の幽霊の露出も、前半あれだけミステリアスで不気味だったのに最悪のBGMと一緒にかなり出現してしまします。
ホラーのいいところや悪いとこが混在しているのでホラー映画好きな人にはおすすめの映画です。